シンポジウム 日本の義肢問題
基礎的問題
幻想肢と体感像
大塚 哲也
1
Tetsuya OTSUKA
1
1厚生年金玉造整形外科病院
pp.869-873
発行日 1968年10月25日
Published Date 1968/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903990
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
一般に四肢切断者(離断者を含む)は,その断端部にすでに失なわれた四肢が,いまだ残存しているような幻覚に囚われることが少なくなく,これが義肢装着や日常生活に与える影響も大である.
四肢切断者の幻(想)肢は,心の中に造る自身の身体像とともに,幻肢痛の形で現われる感覚の面も具備しており,body imageの投影と見做される.この幻肢の型,現われ方,強さおよび幻肢痛などを追究することにより,切断者自身の問題点を見出すことも可能である.
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.