シンポジウム 日本の義肢問題
基礎的問題
義肢歩行の分析
瀬野 庄助
1
,
小島 忠士
1
,
小林 力
1
,
橋本 善次郎
1
,
荘司 英樹
2
,
鈴木 堅二
2
Shosuke SENO
1
1東北大学医学部整形外科学教室
2大学院
pp.864-869
発行日 1968年10月25日
Published Date 1968/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903989
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はじめに
歩行という観点のみからすれば,義肢の評価は主としてそれによる歩行能率によつて判定さるべきである.しかし正常歩行からの高度な形態的逸脱は,仮りに歩行能率に大きな影響を及ぼさない場合でも,義肢装着者にとつて心理的な重要問題であるばかりでなく,多かれ少なかれ歩行能率に関係してくるものと考えられる.こうした歩行形態と歩行能率の関係を解くためには義肢や切断者のより基礎的問題に目を向け,それらの客観的な資料を得なければならないと考え,次のような一連の実験を行なつた.切断者の個々の条件と義肢の種々な条件との組み合わせは非常に複雑になるため,大腿切断者の義肢歩行に限定して実験の結果を述べる.この実験の被検者の概要を第1表に示す.
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