論述
新鮮外傷の応急療法について(第3部)—抗生剤局所使用における量的因子/(第4部)—抗生剤の臨床応用への試み
松元 輝夫
1
Teruo MATSUMOTO
1
1Walter Reed Army Medical Center実験外科
pp.423-431
発行日 1968年5月25日
Published Date 1968/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903919
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災害外科に見られる外傷の多くは,多量の挫滅した組織をともない,更に異物,細菌による汚染が存在するため,できるだけ早期にdebridementの実施されることが望ましい.このような外傷に対してオキシテトラサイクリン(テラマイシン)の局所sprayはdebridementが可能となるまでの黄金期間,すなわち,その間にdebridementを行なえば,創傷感染を妨ぎうる期間を著しく延長する1).
オキシテトラサイクリンの局所sprayに際し本法が受傷後5分以内に実施されるならば,その創傷内の細菌数を著しく抑制し,細菌感染の危険を減じるが,受傷後4時間ないしそれ以後に使用される場合には僅かの効果を示すに過ぎないことは既に前号に報告した通りである2).
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