診療の経験から
脊髄損傷患者痙性麻痺の治療経験
玉井 達二
1
,
後藤 賢治
1
,
今村 雄彦
1
,
小林 忠功
1
,
岡村 岑生
1
,
橋本 広
2
,
広田 耕三
3
1熊本大学医学部整形外科学教室
2熊本労災病院整形外科
3熊本労災病院理学療法部
pp.945-949
発行日 1966年12月25日
Published Date 1966/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903848
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はじめに
脊髄損傷は外傷中でも最も悲惨なものの一つではないでしようか.生命の予後は色々な治療の進歩で非常に良くなつて来ましたが,機能の予後は,どんなに努力しても受傷した時の脊髄の損傷の状態で左右され,その後の取扱いが悪ければ当然予後も更に悪くなります.一つの破綻が起ると取返しのつかない事にもなり,いわゆる累卵の危きにある様に思えます.
脊損の患者を見ていますと,一般には受傷当初に失われた筋のtonusも,損傷された脊髄の処に反射弓のある反射以外の反射も現われて来ます.然しあるものでは筋のtonusも反射も出ず弛緩性麻痺のままで経過し,あるものでは筋のtonusも反射も異常に増強して痙性麻痺の状態になるものがあります.
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