診療の経験から
関節形成術について
片山 良亮
1,2
1東京慈恵会医科大学
2東急病院
pp.583-587
発行日 1966年9月25日
Published Date 1966/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903800
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臨床経験を書けと言われても,それは大変にむずかしいことで,どこまでが成書に記載するところで,どこからが自分の経験であるのか,その境が明らかでない.成書に記載してあることや,自分の動物実験などの成績の間に経験が入り,それが織りまじつて診療上の知識ができあがつているものらしい.したがつて経験のみを取り出して書くことは,ほとんど不可能であるかも知れない.
しかし,考えてみると診療上の知識の構成状態は,その人,その人によつて異なつていると思う.ある者は学問上の知識が主で経験が少なく,ある者は,その反対に学問上の知識よりも,経験が主になつているであろう.しかし,その何れも,あまり好ましいことではなく,学問上の知識と経験が,お互いに,ほどほどに混つている場合が,真の名医ではないかと思う.
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