シンポジウム 頸肩腕症候群
頸肩腕症候群の治療—とくに頸部脊椎骨軟骨症
小野村 敏信
1
,
藤田 仁
1
1京都大学整形外科学教室
pp.143-152
発行日 1966年5月25日
Published Date 1966/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903737
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頸・肩・腕の疼痛,時としてシビレ感を伴なつて来院する患者に屡々遭遇するが,その疼痛は程度の軽いものから,重いものに至る迄種々であつて,叉その部位と範囲は頸肩部に限局するものや,上腕から前腕,手指に波及するまで様々である.このような頸肩腕の疼痛,シビレ感,知覚障害を主体とした臨床症状を綜合的に観察すると,明らかな局在性の疾患を除いては,頸,肩,腕の症状は,脊柱,脊髄系の原因に起因するものが多く,これにもとづいて神経,筋,血管系を通じて共通した臨床症候群を示している.
教室の症例の調査では.頸椎椎間板の一次性老化現象により頸椎椎間板が後方に突出し,或は椎体後縁が隆起して,頸部脊髄,頸部神経根を圧迫,障害して起こる頸部脊椎骨軟骨症が本症候群の大半を占めている.
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