Japanese
English
症例報告
観血的整復を要した外傷性母趾IP関節背側脱臼の2例
An Irreducible Dorsal Dislocation of the Interphalangeal Joint of the Great Toe : Report of Two Cases
柳橋 寧
1,2
,
石田 博英
1
,
渡辺 隆洋
1
Yasushi Yanagibashi
1,2
1八雲総合病院整形外科
2現:哲仁会えにわ病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Yakumo General Hospital
キーワード:
great toe
,
母趾
,
sesamoid bone
,
種子骨
,
dislocation
,
脱臼
Keyword:
great toe
,
母趾
,
sesamoid bone
,
種子骨
,
dislocation
,
脱臼
pp.1133-1136
発行日 2002年9月25日
Published Date 2002/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903646
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抄録:徒手整復が困難で観血的整復術を必要とした母趾IP関節背側脱臼の2例を経験したので報告する.症例1は57歳の男性で,高所より転落した際に右母趾IP関節の背屈を強制され受傷した.X線像上母趾IP関節の背側脱臼を認めたため,徒手整復を試みるも整復されず観血的に整復した.症例2は25歳の男性で,自動車を運転中,ブレーキを踏んだ状態で壁に激突し受傷した.単純X線像にて右母趾IP関節の開大と小さな骨片が確認され,透視下に徒手整復を行ったが関節裂隙の開大は改善されず,観血的に脱臼を整復した.徒手整復が困難となる病態としては,一般にIP関節底側のplantar plateが,種子骨を伴って関節内に嵌頓するためと言われており,X線像上種子骨が確認されなくても,肉眼解剖では高率に存在することが報告されている.したがって,本外傷の治療には種子骨の有無にかかわらず観血的整復術を念頭に置くことが重要である.
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