Japanese
English
症例報告
競輪選手における両膝蓋上隔壁障害の1例
The Lesion of the Suprapatellar Septum of the Professional Bicycle Player : A Case Report
光野 芳樹
1,2
,
廣藤 栄一
1
,
西松 秀和
1
,
近藤 啓
1
,
吉田 憲治
1
,
池田 光正
1
,
伊藤 岳之
1
Yoshiki Kohno
1,2
1天理よろづ相談所病院整形外科
2現:小倉記念病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Tenri Hospital
キーワード:
knee joint
,
膝関節
,
suprapatellar septum
,
膝蓋上隔壁
,
bicycle player
,
自転車選手
Keyword:
knee joint
,
膝関節
,
suprapatellar septum
,
膝蓋上隔壁
,
bicycle player
,
自転車選手
pp.1129-1131
発行日 2002年9月25日
Published Date 2002/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903645
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抄録:膝関節腔内の隔壁,またはその遺残物である滑膜ヒダは時に膝関節痛の原因となる.今回われわれは,比較的稀な膝蓋上隔壁障害の1症例を経験した.症例は21歳男性で競輪学校生である.主訴は両膝関節痛(左側優位)である.術前,両側ともに膝蓋内側上部に圧痛を認めたが,圧痛部に一致した索状物,clickは認めなかった.1999年11月26日左膝関節,翌年1月18日に右膝関節鏡視下手術を施行し,膝蓋上隔壁切除を行った.両側ともに隔壁付着部に滑膜の増殖を認めた.左側の膝蓋上隔壁は膝蓋上包と膝蓋大腿関節を完全に隔てた完全隔壁であり,右側の膝蓋上隔壁は外側に一部穿孔を認めた.術後,両膝関節痛は消失し現在も再発していない.今回の疼痛の原因は,自転車をこぐという膝屈伸運動が繰り返され,隔壁に炎症,線維化が起こり緊張が強くなった結果,隔壁付着部に滑膜の増殖が起こったためと推測された.特に左膝関節では,完全隔壁であったことが,さらに隔壁の緊張を強くしていたものと思われた.
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