Japanese
English
症例報告
硬膜内に発生した傍神経節腫の1例
Intradural Paraganglioma : A Case Report
市原 大輔
1,2
,
西澤 隆
1
,
渡辺 雅彦
1
,
中村 雅也
1
,
丸岩 博文
1
,
松本 守雄
1
,
千葉 一裕
1
,
戸山 芳昭
1
Daisuke Ichihara
1,2
1慶應義塾大学医学部整形外科学教室
2現:国立栃木病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Keio University School of Medicine
キーワード:
paraganglioma
,
傍神経節腫
,
intradural
,
硬膜内
,
cauda equina tumor
,
馬尾腫瘍
Keyword:
paraganglioma
,
傍神経節腫
,
intradural
,
硬膜内
,
cauda equina tumor
,
馬尾腫瘍
pp.971-974
発行日 2002年8月25日
Published Date 2002/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903617
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:硬膜内に発生した稀な傍神経節腫を経験した.症例は39歳,男性.1999年2月頃より右下肢しびれが出現した.MRIでは,L2椎体下縁からL3椎体下縁高位に内部に嚢胞を有しガドリニウムで強く造影される腫瘍を認めた.また,脊髄造影では,L3椎体高位に騎跨状陰影を認め,CT myelography(以下CTM)では馬尾が右側へ高度に圧排されていた.以上の所見より神経鞘腫を疑い手術を施行した.1本の神経根を頭尾側で切離することにより容易に全摘可能であった.病理組織所見ではHE染色にて腫瘍細胞が胞巣状に増生しているZellballen構造が認められ,傍神経節腫と診断された.術後1年2カ月の現在,両下肢に軽度のしびれを自覚するものの,MRI上再発も認めず経過良好である.馬尾発生の傍神経節腫は非常に稀であるが,悪性化や局所再発,髄腔内播種の報告もあるため,これらを念頭に置き注意深い経過観察が必要である.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.