Japanese
English
症例報告
広範囲腰椎椎弓切除術後の脱出ヘルニアに対し再手術を施行した1例
Revision Surgery for Lumbar Disc Herniation with Extrusion Type after Wide Laminectomy : A Case Report
佐々木 智浩
1
,
宮本 敬
1
,
森 敦幸
2
,
児玉 博隆
1
,
細江 英夫
1
,
清水 克時
1
Tomohiro Sasaki
1
1岐阜大学医学部整形外科
2彦根市立病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Gifu University School of Medicine
キーワード:
extrusion disc herniation
,
脱出ヘルニア
,
wide laminectomy
,
広範囲椎弓切除
,
revision surgery
,
再手術
Keyword:
extrusion disc herniation
,
脱出ヘルニア
,
wide laminectomy
,
広範囲椎弓切除
,
revision surgery
,
再手術
pp.975-978
発行日 2002年8月25日
Published Date 2002/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903618
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抄録:症例は82歳,男性.腰部脊柱管狭窄症(LSCS)に対する椎弓切除4年後に著明な腰痛・右下肢痛が出現.コルセットなどの外固定,および4 pad frame上に腹臥位で固定すると腰痛・右下肢痛は軽快した.広範囲椎弓切除後の腰椎不安定性と,L2/3における逸脱ヘルニアが本症例の病態と考え,ヘルニア摘出およびL1~L3後側方固定術を行った.術中,L1/2・L2/3不安定性を認め,後方瘢痕組織の存在がL3神経根の可動性を低下させ,逸脱ヘルニアによる圧迫をより重度のものとしていた.術直後より腰背部痛と右下肢痛は軽快し,術後5カ月の現在,JOAスコアは20点と著明な改善を示し,単純X線像においてインプラントの逸脱などは認めていない.広範囲腰部脊柱管狭窄症に対する脊椎固定を併用しない広範囲椎弓切除は,一般的に低侵襲とされ広く行われているが,逸脱ヘルニアと神経根の癒着が共存した本病態は,脊椎非固定椎弓切除の遅発性合併症のひとつとして念頭に置くべきである.
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