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特集 脊椎脊髄病学最近の進歩(第30回日本脊椎脊髄病学会より)
椎間板の免疫学的特権とその分子生物学的メカニズム―Fas-ligandの存在とその役割
Fas-ligand Exists on Intervertebral Disc Cells : A Potential Molecular Mechanisms for Immune-privilege of the Disc
髙田 徹
1
,
西田 康太郎
1
,
土井田 稔
1
,
井口 哲弘
2
,
栗原 章
2
,
宇野 耕吉
3
,
黒坂 昌弘
1
Toru Takada
1
1神戸大学大学院医学系研究科器官治療医学講座運動機能学
2神戸労災病院整形外科
3兵庫県立のじぎく療育センター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kobe University Graduate School of Medicine
キーワード:
Fas-ligand
,
ファスリガンド
,
intervertebral disc
,
椎間板
,
apoptosis
,
アポトーシス
Keyword:
Fas-ligand
,
ファスリガンド
,
intervertebral disc
,
椎間板
,
apoptosis
,
アポトーシス
pp.483-487
発行日 2002年4月25日
Published Date 2002/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903528
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抄録:椎間板,特に髄核は宿主免疫から隔離されており,いわゆる免疫学的特権を有する組織の1つである.免疫学的特権をもつその他の体内の組織には精巣や眼の前房がある.これらの組織ではTNF familyに属する2型細胞膜表面タンパクであるFas-ligand(FasL)の存在が報告されている.今回,椎間板の免疫学的特権の分子生物学的メカニズムの存在を明らかにするために,椎間板におけるFasLの発現につき検討した.SDラットの椎間板と側弯症患者から手術時に摘出したヒト椎間板に対し,抗FasL抗体を使用して免疫染色を行った.またラットの椎間板組織を用いてRT-PCRを行い,椎間板におけるFasL mRNAの発現を検討した.免疫染色の結果,ラットおよびヒト髄核細胞を中心にFasL陽性染色を認めた.RT-PCRでも同様にラット椎間板におけるFasL mRNAの発現を確認した.今回の研究結果から,正常椎間板におけるFasLの発現がはじめて証明された.したがって椎間板においても精巣や眼の前房と同様に,免疫特権を維持する分子生物学的メカニズムが存在していることが示唆された.
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