Japanese
English
シンポジウム 21世記の整形外科移植医療~その基礎から臨床応用に向けて
神経幹細胞を用いた損傷脊髄の修復・再生
Application of CNS Neural Stem Cells to Repair and Regeneration of Injured Spinal Cord
小川 祐人
1,2
,
戸山 芳昭
1
,
岡野 栄之
2
Yuto Ogawa
1,2
1慶應義塾大学医学部整形外科学教室
2大阪大学大学院医学系研究科神経機能解剖学
1Department of Orthopaedic Surgery, Keio University School of Medicine
キーワード:
neural stem cell
,
神経幹細胞
,
spinal cord injury
,
脊髄損傷
,
transplantation
,
移植
Keyword:
neural stem cell
,
神経幹細胞
,
spinal cord injury
,
脊髄損傷
,
transplantation
,
移植
pp.1489-1496
発行日 2000年12月25日
Published Date 2000/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903157
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
要旨:成人の中枢神経系では神経細胞は決して補充されず,一度損傷されてしまえば機能的な再生は望めないと,つい最近まで教科書的には考えられてきた.しかし,神経幹細胞の選択的培養法が確立され成人の中枢神経系にも神経幹細胞が存在することが,さらには成人においても脳内の特定の部位では神経細胞の新生が起きていることが明らかとなってきた.そこで,傷害された神経組織を神経幹細胞を利用して再生しようとする試みが近年盛んに行われてきている.脊髄損傷に対しても,このような試みは行われており,マウスのES細胞を利用したラット脊髄損傷モデルへの移植実験で,神経幹細胞移植により運動機能が改善したとの報告が出されている.神経幹細胞の移植を考える場合,移植細胞のみならず移植部位の微小環境についても十分に考慮すべきである.また,より良い機能改善を目指すために機能改善のメカニズムについても今後詳細に検討する必要がある.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.