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特集 脊椎脊髄病学最近の進歩(第30回日本脊椎脊髄病学会より)
腰椎とその周囲組織における侵害受容器―電気生理学的検索
A Series of Electrophysiologic Studies on the Nociceptors in the Lumbar Spine and Adjacent Tissues
山下 敏彦
1
,
関根 将利
1
,
坂本 直俊
1
,
三名木 泰彦
1
,
竹林 庸雄
1
,
川口 哲
1
,
石井 清一
1
Toshihiko Yamashita
1
1札幌医科大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Sapporo Medical University, School of Medicine
キーワード:
mechanoreceptor
,
機械受容器
,
nociceptor
,
侵害受容器
,
lumbar spine
,
腰椎
Keyword:
mechanoreceptor
,
機械受容器
,
nociceptor
,
侵害受容器
,
lumbar spine
,
腰椎
pp.335-341
発行日 2002年4月25日
Published Date 2002/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903508
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抄録:電気生理学的手法を用い,腰椎とその周辺組織における機械受容器の分布と生理学的特性を検索した.実験には日本白ウサギおよびネコを用いた.後根神経線維から求心性電位を記録した.腰椎構成要素や仙腸関節を機械的に刺激し,求心性電位の変化を分析して機械受容器を同定した.受容器の機械的閾値の平均値は,椎間関節で6g,多裂筋で2g,後縦靱帯で47g,椎間板前側方部で241g,仙腸関節で70gであった.機械受容器のうち侵害受容器の占める比率は、椎間関節で30%,多裂筋で3%,仙腸関節で98%,後縦靱帯、椎間板前側方部で100%であった.検索したいずれの組織にも侵害受容器が存在し,疼痛の発生源となりうることが示された.椎間関節やその周辺筋は,比較的低い閾値の侵害受容器を含み弱い有害刺激にも反応する.一方,椎間板,後縦靱帯,仙腸関節は機械的刺激に対する感受性は低く,極めて強い有害刺激に反応するものと思われた.
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