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特集 椎間板―基礎と臨床(第22回日本脊椎外科学会より)
神経根における異所性発火発現および抑制因子について―in vitro実験モデルによる解析
The Study of Generating and Suppressive Factors of Ectopic Firing in the Lumbar Dorsal Root Using an in vitro Model
熱田 裕司
1
,
岩原 敏人
1
,
菅原 修
1
,
村元 敏明
1
,
渡壁 誠
1
,
竹光 義治
1
Yuji Atsuta
1
1旭川医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Asahikawa Medical College
キーワード:
神経根
,
nerve root
,
後根神経節
,
dorsal root ganglion
,
in vitro標本
,
in vitro preparation
,
異所性発火
,
ectopic firing
,
低酸素
,
hypoxia
Keyword:
神経根
,
nerve root
,
後根神経節
,
dorsal root ganglion
,
in vitro標本
,
in vitro preparation
,
異所性発火
,
ectopic firing
,
低酸素
,
hypoxia
pp.441-448
発行日 1994年4月25日
Published Date 1994/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901347
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抄録:神経根障害の病態生理を機能的側面から検討するため,成犬腰髄より採取した神経節付き後根を用いてin vitro標本を作成し,異所性発火の発現及び抑制様式を解析した.機械的圧迫刺激による異所性発火発生閾値は,線維部より神経節部において有意に低かった.低酸素負荷を加えると神経節由来の発火が誘発され,機械的閾値もさらに低下した.低酸素以外に,正常髄核コンドロイチン硫酸C,サブスタンス-Pを投与した場合に小数ユニットの反応性発火を認め,これらは単独で異所性発火を誘発しうる化学因子と推定された.一方,ブラディキニン,プロスタグランジンE2,セロトニンなどは発火を誘発しなかった.低酸素負荷に誘発された発火に対してメチルB12,トリアムシノロン,塩酸工ペリゾンは即時的な抑制効果を示した.今回得られた結果は,神経根障害による痛みやしびれ,あるいは間欠性破行の病態と治療の意義を理解する上で重要な知見と思われた.
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