Japanese
English
臨床経験
上腕骨滑車単独骨折の1例
A Case Report of Isolated Fracture of the Trochlea Humeri
北原 肇
1
,
根本 昌幸
1
,
深作 進
1
,
鈴木 和彦
1
Hajime Kitahara
1
1北習志野花輪病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kitanarashino-hanawa Hospital
キーワード:
fracture
,
骨折
,
trochlea humeri
,
上腕骨滑車
Keyword:
fracture
,
骨折
,
trochlea humeri
,
上腕骨滑車
pp.85-87
発行日 2001年1月25日
Published Date 2001/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903189
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抄録:上腕骨滑車単独骨折の1例を経験し,ポリ乳酸ピンを用いて観血的治療を行い良好な結果を得たので報告する.症例は14歳の女子中学生で,主訴は左肘関節痛.自転車走行中,左肘屈曲位で肘頭より転倒し受傷した.単純X線像,断層撮影,CT検査にて上腕骨滑車単独骨折と診断できたため観血的治療を行った.内側より進入すると,上腕骨滑車部はほぼ中央部で骨折しており,尺骨鉤状突起に乗る形で近位前方へ転位していた.骨片を整復後,ポリ乳酸ピン2本にて関節面より固定を行った.術後6カ月の現在,可動域制限は軽度で,単純X線像上骨癒合は良好、無腐性壊死の所見も見られていない.上腕骨顆部骨折のうち,上腕骨滑車単独骨折は非常に稀である.単純X線正面・側面像だけでは診断は困難で,関節造影やCTが必要であるとされているが,術前術後の骨折部の確認には単純X線上腕骨内旋位斜位像が有効であった.
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