Japanese
English
臨床経験
上腕骨滑車骨折後の内反肘に伴った遅発性尺骨神経麻痺の1例
Tardy Ulnar Nerve Palsy with Cubitus Varus after Fracture of Trochlea: A Case Report
飯田 哲
1
,
岡崎 壮之
1
,
栗原 真
1
,
徳重 克彦
1
,
長沢 謙次
1
,
金 民世
1
Satoshi Iida
1
1川鉄千葉病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Kawatetu Chiba Hospital
キーワード:
遅発性尺骨神経麻痺
,
tardy ulnar nerve palsy
,
内反肘
,
cubitus varus
,
上腕骨滑車
,
trochlea
,
骨折
,
fracture
,
偽関節
,
pseudoarthrosis
Keyword:
遅発性尺骨神経麻痺
,
tardy ulnar nerve palsy
,
内反肘
,
cubitus varus
,
上腕骨滑車
,
trochlea
,
骨折
,
fracture
,
偽関節
,
pseudoarthrosis
pp.67-70
発行日 1992年1月25日
Published Date 1992/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900767
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:症例は23歳,女性.8歳時に左上腕骨骨折にてギプス固定を受け,17歳時左手環・小指のしびれから発症した遅発性尺骨神経麻痺の1例である.内反肘変形を認め,ストレスX線で20度の側方動揺性と,三次元CTにて肘屈曲・伸展に伴う滑車骨片の不安定性が認められた.手術時,尺骨神経はOsborneのfibrous bandでentrapされていたが,側方動揺性による外反ストレスや骨片の不安定性から尺骨神経を保護する目的にて筋層下前方移行術を施行した.術後6カ月,claw変形は消失,知覚障害は改善を示し,経過は良好である.外顆偽関節後の外反肘に遅発性尺骨神経麻痺が発症することは一般に知られているが,本症例のごとく,滑車偽関節後の内反肘に伴う遅発性尺骨神経麻痺の報告は,我々が渉猟した範囲では見当たらなかった.また,内反肘に伴う遅発性尺骨神経麻痺としては,顆上骨折後や滑車形成不全があるが,そのいずれとも異なる病態を呈していた.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.