Japanese
English
臨床経験
稀な上腕骨滑車単独骨折の1例
A Rare Case of Isolated Fracture of the Trochlea Humeri : A Case Report
佐藤 直人
1
,
斎藤 昭
1
Naoto Sato
1
1公立相馬総合病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Public Foundation Souma General Hospital
キーワード:
isolated fracture of the trochlea humeri
,
上腕骨滑車単独骨折
,
Poly-L-Lactic Acid pin
,
PLLAピン
Keyword:
isolated fracture of the trochlea humeri
,
上腕骨滑車単独骨折
,
Poly-L-Lactic Acid pin
,
PLLAピン
pp.1143-1145
発行日 1999年9月25日
Published Date 1999/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902806
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抄録:稀な上腕骨滑車単独骨折の1例を経験した.症例は14歳,男性.主訴は左肘の痛み.現病歴は,傾斜のある歩道を自転車に乗って下りてきて転倒,転落し受傷した.当院受診時の単純X線像で,左上腕骨滑車骨折を認めた.入院後の三次元CTで上腕骨滑車部の単独骨折と診断し,手術を行った.手術時所見では,滑車部前方約2分の1の骨折が認められ,上腕骨近位前方へ転位した骨片は尺骨鈎突起の上に乗っていた.整復後,骨片の固定には,生体内吸収性材料であるPLLAピンを使用した.術後半年の経過観察時では,肘関節痛なく,関節可動域は良好である.単純X線像,MRIで骨折部の骨癒合は良好で無腐性壊死は認めていない.上腕骨滑車単独骨折は極めて稀な骨折であり,特に新鮮例の報告は1例のみである.本症例では,確定診断に三次元CTが有用であった.内固定に生体内吸収性材料であるPLLAピンを使用し,良好な成績が得られた.
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