Japanese
English
臨床経験
腱鞘線維腫による弾発手関節の1例
A Case Report of Trigger Wrist due to a Fibroma of the Tendon Sheath
藤田 勝
1
,
狩山 憲二
1
,
山川 久秀
1
Masaru Fujita
1
1済生会西条病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Saiseikai Saijyo Hospital
キーワード:
trigger wrist
,
弾発手関節
,
fibroma
,
線維腫
,
carpal tunnel syndrome
,
手根管症候群
Keyword:
trigger wrist
,
弾発手関節
,
fibroma
,
線維腫
,
carpal tunnel syndrome
,
手根管症候群
pp.1411-1414
発行日 2000年11月25日
Published Date 2000/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903146
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抄録:腱鞘線維腫による弾発手関節の1例を経験したので報告する.症例は36歳の男性.主訴は右中環指の痛み,右手使用時のひっかかり感である.右母示中指掌側の知覚低下を認め,手指の屈伸で激痛を伴い横手根靱帯部で轢音,弾発を認めた.矢状断のMRIにて,手指屈曲時にTl強調像で等信号,T2強調像で内部不整な高信号の紡錘状の腫瘍を手掌部に認めた.手術は手根管を開放し,中環指の深指屈筋腱に癒着している腫瘍を摘出した.摘出腫瘍の病理所見は腱鞘線維腫であった.術後速やかに症状は消失した.手指の運動による弾発手関節は,われわれが調べ得た限りでは自験例も含めて国内外で59例63手の報告があった.慢性滑膜炎によるものが30例と最も多く,腫瘍性疾患が24例で腱鞘線維腫によるものは11例と稀である.
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