Japanese
English
臨床経験
若年性一側上肢筋萎縮症(平山病)の1例
A Case of Juvenile Spinal Muscular Atrophy (Hirayama's disease)
毛糠 英治
1
,
末綱 太
1
,
牧野 明男
1
,
和田 誠之
1
,
中井 倫子
1
Eiji Kenuka
1
1八戸市立市民病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Hachinohe City Hospital
キーワード:
juvenile spinal muscular atrophy
,
Hirayama's disease
,
若年性一側上肢筋萎縮症
,
平山病
,
flexion myelopathy
,
前屈位脊髄症
,
cervical spine
,
頚椎
Keyword:
juvenile spinal muscular atrophy
,
Hirayama's disease
,
若年性一側上肢筋萎縮症
,
平山病
,
flexion myelopathy
,
前屈位脊髄症
,
cervical spine
,
頚椎
pp.1387-1390
発行日 2000年11月25日
Published Date 2000/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903140
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抄録:症例は16歳,男性.左手の脱力・シビレ,左手指伸展時のふるえを主訴に当科を受診した.左前腕以下の筋萎縮,左手指伸展・屈曲・外転筋力の低下を認めたが,他の神経学的異常はなかった.前屈位頚椎MRI像ではC4~6レベルで脊髄後方部分の拡大と脊髄の圧迫像を,脊髄造影では頚椎前屈時,同レベルの硬膜管の狭小化と後壁の前方移動を確認したが,これらの所見は頚椎後屈位では認めなかった.以上の結果,平山病と診断し,C5左椎弓切除とC4~6の後方固定術を行った.術中・硬膜外血管の増生・拡張がみられ,血管の病理組織所見は動静脈奇形であった.
平山病では頚椎前屈により硬膜管が過剰に前方へ偏位し,慢性的な脊髄の圧迫が,脊髄前角に虚血性壊死をもたらすと報告されている.しかし,本症例から硬膜管の前方偏位の機序として,硬膜外血管異常の関与が示唆された.
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