Japanese
English
臨床経験
髄膜炎をきたした腸腰筋膿瘍の1例
Meningitis Caused by a Psoas Abscess : A Case Report
酒井 義人
1
,
井上 喜久男
1
,
甲山 篤
1
,
夏目 徹
1
,
筒井 求
1
Yoshihito Sakai
1
1県西部浜松医療センター整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Hamamatsu Medical Center
キーワード:
iliopsoas abscess
,
腸腰筋膿瘍
,
bacterial meningitis
,
細菌性髄膜炎
,
epidural abscess
,
硬膜外膿瘍
Keyword:
iliopsoas abscess
,
腸腰筋膿瘍
,
bacterial meningitis
,
細菌性髄膜炎
,
epidural abscess
,
硬膜外膿瘍
pp.1391-1394
発行日 2000年11月25日
Published Date 2000/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903141
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抄録:腸腰筋膿瘍に併発した髄膜炎の1症例を経験したので報告する.症例は63歳の男性で糖尿病を治療中である.下腹部から鼡径部の痛みと発熱を主訴に受診,CTおよびMRIから腸腰筋膿瘍を早期に診断しえた.抗生剤投与,ドレナージなどにて治療を行い改善傾向にあったが,入院約2カ月後に意識レベルの低下と頚部硬直を認め,腰椎穿刺の所見から細菌性髄膜炎と診断した.抗生剤投与により治癒したと思われたが,約4カ月後,腰痛とともに髄膜炎を再発した.髄液中に多量の膿を認め,抗生剤に反応せず死亡した.腸腰筋膿瘍から髄膜炎をきたすことは稀で,過去の報告でも医原性のものや診断,治療の遅れによることが多い.また,髄膜炎を併発した場合,死亡率が高いため,腸腰筋膿瘍の早期診断と適切な治療により髄膜炎への移行を防止することが重要である.
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