Japanese
English
臨床経験
開放性小菱形骨背側脱臼の1例
Open Dorsal Dislocation of the Trapezoid : A Case Report
田中 素成
1
,
面川 庄平
1
,
高岡 孝典
1
,
鈴木 順三
1
,
米井 辰也
1
,
玉井 進
2
Motonari Tanaka
1
1医真会八尾総合病院整形外科
2奈良県立医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Ishinkai Yao General Hospital
キーワード:
trapezoid
,
小菱形骨
,
hand
,
手
,
dislocation
,
脱臼
Keyword:
trapezoid
,
小菱形骨
,
hand
,
手
,
dislocation
,
脱臼
pp.1415-1418
発行日 1999年11月25日
Published Date 1999/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902855
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抄録:症例は27歳男性.仕事中,プレス機械に両手を挟まれ,当院に救急搬送された.来院時,左手は手背と手掌に開放創がみられた.単純X線上,第4,第5中手骨骨折と小菱形骨の背側への脱臼を認めた.徒手整復が困難であったため,背側より縦切開を加えて観血的に脱臼を整復し,Kirschner鋼線2本で大小菱形骨,舟状骨,第2中手骨を固定した.術後は6週でKirschner鋼線を抜去し,理学療法を開始した.術後1年6カ月の現在,MRIで小菱形骨の壊死は認めず,小菱形骨周辺に軽度の圧痛を訴えるが,不安定性は認めない.手関節,指関節の可動性は良好である.
小菱形骨脱臼は稀であり,本邦報告例は少ない.本症例の受傷機転は,前腕軽度回内,手関節掌屈位で第2中手骨骨頭からの軸圧が加わって生じたと推測された.解剖学的には小菱形骨は楔状で背側面が掌側面より2倍大きい形状をしており,背側に脱臼しやすい原因となっていると思われた.
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