Japanese
English
臨床経験
圧迫優位側の反対側に神経根痛を生じた頚部椎間板ヘルニアの1例
Cervical Disc Hernia with Contralateral Radiculopathy : A Case Report
野尻 賢哉
1
,
鎌田 修博
1
,
笹崎 義弘
1
,
牧田 聡夫
1
,
三上 裕嗣
1
,
木内 準之助
1
Kenya Nojiri
1
1けいゆう病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Keiyu Hospital
キーワード:
cervical disc hernia
,
頚部椎間板ヘルニア
,
radiculopathy
,
神経根痛
,
contralateral
,
反対側
Keyword:
cervical disc hernia
,
頚部椎間板ヘルニア
,
radiculopathy
,
神経根痛
,
contralateral
,
反対側
pp.1411-1414
発行日 1999年11月25日
Published Date 1999/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902854
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:われわれは圧迫優位側の反対側に神経根痛を伴った頚部椎間板ヘルニアの1例を経験し,手術により良好な結果を得たので報告する.症例は35歳男性で,主訴は右上腕痛であった.保存的治療を行うが症状が改善せず,1997(平成9)年5月に精査加療目的で入院した.入院時,左上肢に軽度の知覚障害を認めたが,筋力,腱反射は正常であり,MRIでC5/6高位の左側傍正中に椎間板ヘルニアを認めた.頚椎持続牽引を行うも症状が改善しないため,脊髄造影,椎間板造影を施行した.椎間板造影では左上腕にのみ放散痛を生じ,主訴の再現痛は起こらなかった.症状が改善しないため,同年6月にC5/6の前方除圧固定術を行った.術中,左側傍正中に浅層下ヘルニアを認めたが,右側にはヘルニアは認めなかった.術後直ちに主訴は消失し,術後1年6カ月の現在も痛みはない.圧迫優位側の反対側に神経根痛を生じた原因を,われわれは神経根へのtethering作用と考えている.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.