Japanese
English
臨床経験
手舟状骨単独脱臼の1例
Dislocation of the Scaphoid : A Case Report
梁 昌鳳
1,2
,
尾崎 昭洋
1
,
一山 茂樹
1
,
園田 万史
1
Masaho Ryou
1,2
1西脇市立西脇病院整形外科
2医療法人健心会北都病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Nishiwaki Municipal Hospital
キーワード:
scaphoid
,
舟状骨
,
dislocation
,
脱臼
,
prognosis
,
予後
Keyword:
scaphoid
,
舟状骨
,
dislocation
,
脱臼
,
prognosis
,
予後
pp.303-306
発行日 1997年3月25日
Published Date 1997/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902133
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抄録:稀な手舟状骨単独脱臼の1例を経験した.症例は67歳男性.主訴は左手関節の疼痛と腫脹である.単車でトラクターに追突し,ハンドルを握ったまま左側に転倒して受傷した.受傷後7日目に初診し,X線像上舟状骨の掌橈側への脱臼とaxial disruptionを認めた.初診日に静脈麻酔下に徒手整復を行い,6週間のギプス固定の後,機能訓練を開始した,整復後7カ月で疼痛なく経過良好である.本症の報告は自験例を含めて42例に過ぎない.受傷機転は手関節背尺屈位で中手骨を介した外力が加わって発生したものと考えられる.治療は,新鮮例では徒手整復が多く行われており,観血的整復よりも成績良好例が多い.しかし徒手整復も観血的整復もともに,舟状骨周囲の全靱帯断裂例では成績が劣っていた.舟状骨壊死の報告は1例のみであるが,舟状骨への血流を考えると,靱帯広範断裂例では骨壊死の発生が危惧されるため,MRI等で慎重に経過観察すべきである.
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