Japanese
English
臨床経験
先天性腓骨筋腱脱臼の母子例
Congenital Dislocation of the Peroneal Tendon Appearing in a Infant and his Mother: A Report of Two Cases
安藤 祐之
1
,
井口 傑
1
,
宇佐見 則夫
1
,
宮永 将毅
1
Masashi Ando
1
1慶應義塾大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Keio-Gijuku University, School of Medicine
キーワード:
腓骨筋腱
,
peroneal tendon
,
脱臼
,
dislocation
,
先天性
,
congenital
,
習慣性
,
habitual
Keyword:
腓骨筋腱
,
peroneal tendon
,
脱臼
,
dislocation
,
先天性
,
congenital
,
習慣性
,
habitual
pp.1257-1260
発行日 1994年11月25日
Published Date 1994/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901500
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抄録:1歳5カ月の男児と40歳の母親の先天性腓骨筋腱脱臼の母子例を経験した.男児例は母親が生後2カ月で左足関節外果上の索状物に気づき,3カ月検診時に本症と診断した.処女歩行後脱臼が頻回となり手術を施行した.手術時,背屈位で,長腓骨筋腱は,上腓骨筋支帯が外果後縁から剥離して形成された間腔に脱臼していたので,支帯を縦切し外果後縁の軟骨堤に縫縮,再縫着した.術後約2年で再脱臼もなく経過良好である.一方,母親は年少時から両足関節外果部の弾発感に気づいていた.子供の術後に当科を受診し本症と診断したが,特に障害はない.本症は稀な疾患とされ,家族例の報告は初例である.母子例の存在から,従来の報告にある胎内肢位の異常よりも,遺伝傾向をもつ筋骨格系の異常が本症の主因と考えられる.また,術後に発見された母親例が長年なんら障害がなかったことから,従来の手術適応には再検討が必要と考える.
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