ついである記・38
London―パリからEurostarに乗って
山室 隆夫
1,2
1京都大学
2国際整形災害外科学会
pp.1140-1141
発行日 1999年9月25日
Published Date 1999/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902805
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定年退職後5年が経った今も,私の生活は何となく多忙であるが,1997年の秋ほどあわただしく国の内外を駆けずり回ったことはなかった.具体的にいうと,9月11日からオランダとトルコへ行き,19日に一旦帰国して東京と京都で講演をした後,29日には台湾へ行き,続いて10月5日には台北からパリへ飛んで国際学会に出席し,さらにパリからEurostarに乗ってロンドンへ行き,最後にロンドンから関空経由で新潟へ飛んで日本整形外科学会に出席するという日程であった.このような過密スケジュールを40日間でこなしたので,時差ボケの解消法に熟達しているはずの私でも,さすがに体力の限界を感じた.私がパリに到着するまでの上記の旅の間に,家内は一足先にパリへ行って,パリ大学に留学している甥のアパートに泊まりこんで家事を手伝ってやったり,一緒に市中を歩き廻ったりして母性本能を満たしていたようだった.パリは観光客として訪れるよりも,そこに住んでみて初めて深い味わいの感じられる町であると言われているが,家内は短期間ながら身内とともにパリに住んでみることができて御満悦であった,私がパリに着いた頃には地下鉄やバスも一人で乗りこなし,カフェやマーケットで見た人々の生活の様子や甥のガールフレンドのことまでも興味深げに私に話して聞かせるのだった.
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