Japanese
English
臨床経験
神経内ガングリオンによる深腓骨神経麻痺の1例
A Case Report of a Deep Peroneal Nerve Paralysis due to Intraneural Ganglion
吉本 三徳
1
,
倉 秀治
1
,
常見 健雄
1
,
鈴木 知勝
2
,
薄井 正道
3
,
石井 清一
3
Mitsunori Yoshimoto
1
1釧路赤十字病院整形外科
2釧路赤十字病院病理
3札幌医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kushiro Red Cross Hospital
キーワード:
intraneural ganglion
,
神経内ガングリオン
,
deep peroneal nerve
,
深腓骨神経
,
paralysis
,
神経麻痺
Keyword:
intraneural ganglion
,
神経内ガングリオン
,
deep peroneal nerve
,
深腓骨神経
,
paralysis
,
神経麻痺
pp.1333-1336
発行日 1998年11月25日
Published Date 1998/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902576
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抄録:神経内ガングリオンによる深腓骨神経麻痺の1例を経験したので報告する.症例は34歳男性で,主訴は左下垂足.1997年4月頃より特に誘因なく左足関節の自動背屈が不能となった.初診時,MMTで前𦙾骨筋が0,長母趾伸筋および長趾伸筋が2,長短腓骨筋は5であった.また,深腓骨神経領域に軽度の知覚鈍麻を認め,腓骨頭下方にはTinel signが陽性であった.MRIで腓骨頭下方にT1 low,T2 highの索状の腫瘍性病変を認めた.
以上の所見より,腓骨頭周囲の軟部腫瘍による深腓骨神経麻痺を疑い手術を施行した.総腓骨神経から深腓骨神経にかけて約10cmの範囲で神経が腫大しており,被膜を切開すると内部よりゼリー状の内容物が流出した.神経内ガングリオンと判断し摘出を試みたが,神経組織との境界が不明瞭で一部は切開して内容物の排除だけにとどまった.術後4カ月の現在,知覚鈍麻は消失し,筋力も回復傾向にある.
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