Japanese
English
臨床経験
初診時診断困難であった下位頚椎脱臼骨折の検討
Difficulty in Initial Diagnosis of Fracture-dislocation in Lower Cervical Spine
大仲 良仁
1
,
林 浩之
1
,
須田 洋
1
,
宍戸 隆秀
1
,
長谷川 貴雄
1
,
佐藤 啓二
1
Yoshihito Ohnaka
1
1愛知医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Aichi Medical University
キーワード:
cervical spine
,
頚椎
,
fracture-dislocation
,
脱臼骨折
,
diagnosis
,
診断
Keyword:
cervical spine
,
頚椎
,
fracture-dislocation
,
脱臼骨折
,
diagnosis
,
診断
pp.1107-1110
発行日 1998年9月25日
Published Date 1998/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902527
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抄録:下位頚椎脱臼骨折は,その解剖学的特性よりX線学的診断に難渋することがある.1992年以降,初診時に確定診断に至らなかった本疾患4例について調査し,診断上の問題点につき検討した.全例男性で,受傷時年齢は平均42.8歳(31~55歳)であり,損傷レベルはC6/7が3例,C7/T1が1例であった.初診時の臨床症状として,全例が頚部痛を訴えたが,神経学的には上肢のしびれ感を3例に認めたのみで,体幹,下肢の神経障害を呈した例は皆無であった.初診時全例に頚椎2方向単純X線撮影を施行していたが,確定診断には至っておらず,受傷後平均7.5週(1~23週)後にMRI等で診断されていた.下位頚椎脱臼骨折の初期診断を困難にする要因は,X線学的診断が困難な部位であることのみならず,神経症状が軽微であったこと,合併損傷が存在したことであった.初期に確定診断を行うために,頚椎2方向単純X線撮影に加え,斜位撮影が有用であった.
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