Japanese
English
臨床経験
片側上下肢麻痺を呈した脊髄硬膜外血腫の1例
A Case Report of Spinal Epidural Hematoma with Hemiparesis
中村 渉
1
,
藤沢 洋一
2
,
藤井 一晃
2
,
牧野 明男
2
Wataru Nakamura
1
1弘前大学医学部整形外科学教室
2大館市立総合病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Hirosaki University School of Medicine
キーワード:
spinal epidural hematoma
,
脊髄硬膜外血腫
,
hemiparesis
,
片側上下肢麻痺
,
spontaneous healing
,
自然寛解
Keyword:
spinal epidural hematoma
,
脊髄硬膜外血腫
,
hemiparesis
,
片側上下肢麻痺
,
spontaneous healing
,
自然寛解
pp.261-264
発行日 1997年3月25日
Published Date 1997/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902123
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抄録:片側上下肢麻痺を呈した脊髄硬膜外血腫を経験した.症例は59歳,女性.誘因と思われるものは全くなく,突然,後頚部痛が出現し,徐々に右上下肢麻痺が出現.脳梗塞として入院となり発症後2日目に当科紹介となった.MRIでは頚髄を右側後方から圧迫する硬膜外血腫を認めた.麻痺は発症後数時間で改善傾向を示していたため,保存療法を選択した.発症後2カ月で麻痺は完全に消失した.
脊髄硬膜外血腫では,脊髄圧迫症状が急激に発生し,診断,治療の遅れは神経機能予後を悪化させると言われている.本症例では片側上下肢麻痺を呈し,頭蓋内病変との鑑別が困難であったため,診断が遅れたが,幸いにも入院直後から症状の改善がみられ,後遺症を残さず退院できた.一般に保存的治療の予後は不良であると言われているが,神経症状の回復がみられる症例では保存的治療も考慮すべきであると考えられた.
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