Japanese
English
臨床経験
膝後十字靱帯より発生したガングリオンの1症例
Ganglion Cysts of the Posterior Ligament : A Case Report
若林 敏行
1
,
入江 一憲
1
,
榎本 宏之
1
,
井上 和彦
1
Toshiyuki Wakabayashi
1
1東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Institute of Rheumatology, Tokyo Women's Medical College
キーワード:
knee joint
,
膝関節
,
ganglion cysts
,
ガングリオン
,
posterior cruciate ligament
,
後十字靱帯
,
magnetic resonance imaging
,
磁気共鳴画像法
Keyword:
knee joint
,
膝関節
,
ganglion cysts
,
ガングリオン
,
posterior cruciate ligament
,
後十字靱帯
,
magnetic resonance imaging
,
磁気共鳴画像法
pp.257-260
発行日 1997年3月25日
Published Date 1997/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902122
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抄録:後十字靱帯(以下PCL)より発生したガングリオンの1症例を経験した.症例:48歳,男性.しゃがんだ状態で物を持とうとして左膝痛が出現し,当科を初診.関節可動域は0~90°で最大屈曲時に疼痛を強く訴えるとともに弾性抵抗を生じた.MRIの結果,PCL近傍に腫瘤を認めた.腫瘤は高信号強度のperipheral ringを認め,骨格筋と比べてT2強調像で高信号,T1強調像でほぼ同信号強度を呈した.疼痛,可動域制限が改善しないため,手術的に摘出.組織は有茎性,多房性の嚢腫様で,ガングリオンと診断された.術後経過は良好で,術後1年6カ月の現在,再発を認めていない.PCLガングリオンは稀であり,本症例を含めて26例の報告を見るのみである.症状は半月板損傷時に似るが,外傷歴の有無,屈曲時の弾性抵抗の有無,関節裂隙の圧痛の有無,症状の消退の有無などが参考になる.画像診断ではMRIがきわめて有用であった.
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