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臨床経験
骨盤Y軟骨損傷後の臼蓋形成不全に対する寛骨臼回転骨切り術
Rotational Acetabular Osteotomy for Acetabular Dysplasia Following Traumatic Closure of the Triradiate Cartilage : A Case Report
北西 正光
1
,
堂前 洋一郎
1
,
石坂 真樹
1
,
徳永 邦彦
1
,
祖父江 牟婁人
1
Masamitsu Kitanisi
1
1新潟大学医学部整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Niigata University School of Medicine
キーワード:
triradiate injury
,
Y軟骨損傷
,
acetabular dysplasia
,
臼蓋形成不全
,
rotational acetabular osteotomy
,
寛骨臼回転骨切り術
Keyword:
triradiate injury
,
Y軟骨損傷
,
acetabular dysplasia
,
臼蓋形成不全
,
rotational acetabular osteotomy
,
寛骨臼回転骨切り術
pp.191-193
発行日 1996年2月25日
Published Date 1996/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908421
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抄録:Y軟骨損傷に引き続き起こった臼蓋形成不全に対して寛骨臼回転骨切り術を行った1例を報告する.症例は3歳6ヵ月時に交通事故により右恥骨坐骨骨折を伴うopen book型骨盤骨折を受傷した.他医にて保存的治療により骨折は治癒したが,Y軟骨の早期閉鎖を認めた.その後,疼痛と跛行が11歳時に出現したため来院した.X線では臼蓋底は肥厚し,臼蓋は浅く骨頭は亜脱臼位を呈していた.骨頭の内方化と臼蓋の被覆を目的に寛骨臼回転骨切り術を施行し,術後5年の現在,疼痛や跛行は認められない.
Y軟骨損傷は比較的稀で,後に臼蓋形成不全を呈し,正常に発育した骨頭と不適合を生じ,股関節は重大な機能不全に陥ることが多い.この臼蓋形成不全を生じる原因はY軟骨は骨盤の発育に関して骨端線の役割を演じていることから骨端線の損傷によって臼蓋の発育障害が出現した結果と考えられる.
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