Japanese
English
論述
寛骨臼形成不全に対する寛骨臼回転骨切り術の治療成績ならびに実施上の対策
Follow-up Study of Rotational Acetabular Osteotomy for Dysplastic Hip
野沢 雅彦
1
,
山内 裕雄
1
,
一青 勝雄
1
,
新井 浩一
1
,
梁瀬 早希
1
,
森福 研一
1
,
長谷川 徳男
1
Masahiko Nozawa
1
1順天堂大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Juntendo University School of Medicine
キーワード:
寛骨臼回転骨切り術
,
rotational acetabular osteotomy
,
寛骨臼形成不全
,
dysplastic hip
,
冷凍自己血輸血
,
frozen autologous blood transfusion
Keyword:
寛骨臼回転骨切り術
,
rotational acetabular osteotomy
,
寛骨臼形成不全
,
dysplastic hip
,
冷凍自己血輸血
,
frozen autologous blood transfusion
pp.771-777
発行日 1993年7月25日
Published Date 1993/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901145
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抄録:寛骨臼形成不全を有する,前股関節症,初期股関節症,および臼蓋に骨嚢胞のみを有する進行期変形性股関節症症例に対し,田川,二ノ宮らに準じた寛骨臼回転骨切り術を行い,手術後1年以上経過した58例61関節を調査した.臨床症状およびX線所見上,良好な成績であった.骨切りは股関節周囲を十分に展開し,移動する臼蓋がなるべく厚くなるように行い,直線ノミで1-1.5cm骨切りした後に彎曲ノミを使用した.骨切り後,腸骨と移動した臼蓋の間にできた間隙に,腸骨外板と海綿骨を移植したが,骨形成促進と海綿骨の逸脱を防止するためにフィブリン糊を用い,全例に良好な骨癒合を得ることができた.輸血は冷凍自己血を用いたが,血清肝炎などの輸血による合併症はなく,術後の出血に対しても術前の貯血で十分に対応できた.本術式は適応を選べば比較的高齢者の寛骨臼形成不全の症例にも応用可能であった.
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