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特集 脊椎外傷の最近の進歩(上位頚椎を除く)(第24回日本脊椎外科学会より)
神経障害を有する胸腰椎破裂骨折に対するKaneda deviceを用いた前方除圧再建術の長期成績―術後5年以上経過した150例の分析
Long-term Results of Anterior Decompression and Reconstruction with the Kaneda Device in Thoracolumbar Burst Fractures with Neurologic Deficit
種市 洋
1
,
金田 清志
1
,
橋本 友幸
1
,
佐藤 栄修
1
,
鐙 邦芳
1
,
藤谷 正紀
2
Hiroshi Taneichi
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
2北海道整形外科記念病院
1Department of Orthopaedic Surgery, Hokkaido University, School of Medicine
キーワード:
burst fractures
,
破裂骨折
,
anterior decompression and reconstruction
,
前方除圧再建術
,
Kaneda device
,
Kaneda device
,
neurologic deficit
,
神経障害
,
long-term results
,
長期成績
Keyword:
burst fractures
,
破裂骨折
,
anterior decompression and reconstruction
,
前方除圧再建術
,
Kaneda device
,
Kaneda device
,
neurologic deficit
,
神経障害
,
long-term results
,
長期成績
pp.481-493
発行日 1996年4月25日
Published Date 1996/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901885
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抄録:神経障害を有する胸腰椎破裂骨折に対するKaneda deviceと自家腸骨稜移植による前方除圧再建術の長期成績を術後5年以上経過した150手術例の調査に基づき分析した.職業復帰率は96.2%で,86.2%は原職に復帰できた.経過観察時腰背部痛はDenisのpain scaleにおけるP1,P2が90.6%を占めて良好であった.神経学的改善度はmodified Frankel分類での1段階以上改善例が94.7%であった.脊柱管内骨片占拠率は術前48%(T12-L1),60%(L2-4)が術後2%(T12-L1),1%(L2-4)と著明に改善し,ほぼ完全な脊柱管除圧がなされていた.骨癒合率はロッド・カプラー非使用の旧モデルで88.9%,ロッド・カプラー使用の現行モデルで95.8%であった.instrumentation failureは5.6%にみられたが,implant抜去を要した例はなかった.合併症としては医原性神経障害,逆行性射精,implantに起因する大血管損傷などはみられなかった.長期成績の分析から,本法は骨癒合率や脊柱管除圧の点で後方法と比し優れているばかりでなく,重大な合併症もない安全かつ有用な方法であることが証明された.
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