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シンポジウム 変性腰部脊柱管狭窄症の手術的治療と長期成績
腰部脊柱管狭窄症の自然経過―5年以上追跡例の検討
The Natural Course of Lumbar Spinal Canal Stenosis Followed more than Five Years
林 信宏
1
,
玉置 哲也
1
,
吉田 宗人
1
,
岩橋 俊幸
1
,
山田 宏
1
,
笠松 隆洋
2
Nobuhiro Hayashi
1
1和歌山県立医科大学整形外科
2和歌山県立医科大学公衆衛生学
1Department of Orthopaedic Surgery, Wakayama Medical College
キーワード:
自然経過
,
natural course
,
腰部脊柱管狭窄症
,
lumbar spinal stenosis
,
日整会腰痛判定基準
,
JOA score
,
多変量解析
,
multiple regression analysis
Keyword:
自然経過
,
natural course
,
腰部脊柱管狭窄症
,
lumbar spinal stenosis
,
日整会腰痛判定基準
,
JOA score
,
多変量解析
,
multiple regression analysis
pp.679-685
発行日 1994年6月25日
Published Date 1994/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901385
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抄録:腰部脊柱管狭窄症(以下LCSと略す)の自然経過を明確にするため,5年以上追跡可能であった非手術例41例において臨床症状および自覚症状の推移を検討した.初診時における罹病期間は2週間~20年,平均3年2カ月であり,経過観察期間は5年1カ月~12年6カ月,平均8年2カ月であった.日整会腰痛疾患治療成績判定基準(JOA score)を用いた自覚症状の推移では症状軽減8例(20%),不変25例(60%),悪化8例(20%)であった.一方,他覚症状の推移は,軽減6例(15%),不変12例(29%),悪化23例(56%)となり両者間で大きな差異が認められた.また,多変量解析を用いて初診時の年齢,罹病期間,各種症状などの因子から5年以上経過時の予後評価を試みたが,重相関係数0.628,寄与率39.4%と満足のいく結果は得られなかった.このことは,LCSの予後評価の困難さを表すと共に,LCSに対するJOA score systemの再検討の必要性を示唆しているものとも考えられた.
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