Japanese
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特集 椎間板―基礎と臨床(第22回日本脊椎外科学会より)
腰椎後方手術は馬尾集合と硬膜異常収縮を誘発する―MRIによる実証と病理
Posterior Lumbar Surgery Induces Cauda Equina Grouping and Dural Constriction: A Postoperative Serial MRI Study
松井 寿夫
1
,
金森 昌彦
1
,
川口 善治
1
,
遊道 和雄
1
,
辻 陽雄
1
,
二谷 立介
2
Hisao Matsui
1
1富山医科薬科大学整形外科学教室
2富山医科薬科大学放射線基礎医学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Toyama Medical and Pharmaceutial University, Faculty of Medicine
キーワード:
癒着性くも膜炎
,
adhesive arachnoradiculitis
,
脊椎手術
,
spinal surgery
,
核磁気共鳴画象
,
MRI
Keyword:
癒着性くも膜炎
,
adhesive arachnoradiculitis
,
脊椎手術
,
spinal surgery
,
核磁気共鳴画象
,
MRI
pp.449-455
発行日 1994年4月25日
Published Date 1994/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901348
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抄録:腰椎後方侵襲後の馬尾集合癒着および硬膜管収縮が発生し得ることを術後経時的MRIにより明らかにし,その発生機序および臨床的意義について考察を加えた.後方手術を行った腰椎変性疾患10例(椎間板ヘルニア7例,脊柱管狭窄症2例,その他1例)を対象とし,術前,術後3日,1週,3週,および6週目にT2強調横断MRIを撮像した.馬尾集合癒着はすべての例で椎弓切除が行われた.L4-5レベル(n=10)において最も強い変化を認め,術後6週ても10例中9例に馬尾のpartial groupingが見られた.背筋展開のみで椎弓切除を施していないL3-4レベル(n=8)では馬尾集合癒着は術後1週まではL4-5レベルと同程度であったが,術後6週では半数がpartial groupingとなり,その回復は比較的速かった.椎弓切除を行っていないL5-Sレベル(n=7)では全般的に馬尾集合癒着は軽度であった,硬膜管収縮はレベルに拘らず侵襲部位で観察されたが,術後3週で術前の状態に回復した.馬尾集合癒着および硬膜管収縮は椎弓切除ないしは椎間板切除操作と密接に関連し,その機序には組織修復過程における広義の炎症性変化が関与するものと考えられた.
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