Japanese
English
特集 痛みをとらえる(第21回日本脊椎外科学会より)
主題 脊椎とその周辺からの痛みの診断
腰椎椎間板ヘルニアにおける神経根性痛の画像診断―造影MRIによる障害神経根の描出
Detection of the Symptomatic Nerve Root: A Contrast-enhanced MR Study
豊根 知明
1
,
高橋 和久
1
,
山縣 正庸
1
,
村上 正純
1
,
高田 啓一
1
,
高橋 弦
1
,
森永 達夫
1
,
平山 次郎
1
,
北原 宏
1
,
守屋 秀繁
1
Tomoaki Toyone
1
1千葉大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Chiba University
キーワード:
腰椎椎間板ヘルニア
,
lumbar disc herniation
,
神経根
,
nerve root
,
坐骨神経痛
,
sciatica
,
MRI
,
Gadolinium-DTPA
Keyword:
腰椎椎間板ヘルニア
,
lumbar disc herniation
,
神経根
,
nerve root
,
坐骨神経痛
,
sciatica
,
MRI
,
Gadolinium-DTPA
pp.383-389
発行日 1993年4月25日
Published Date 1993/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901087
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抄録:片側の下肢痛を主訴とする腰椎椎間板ヘルニア25例に,Gadolinium-DTPA造影MRIを施行し,特にヘルニアの遠位部における神経根を観察した.その結果,17例において症状側神経根が造影されていた.神経根の造影所見は3群に分類可能であり,grade 0:造影されない,grade 1:部分的に不均一に造影される.grade 2:全体に造影される,とした.坐骨神経痛の重症度を定量的に評価するためにSLRテストおよびJOAスコアを用いたところ,造影の程度は症状の重症度を反映していた.またgrade 2の全症例が,3ヵ月以上の保存療法を行っても症状の寛解が得られず,手術を必要とした.これは造影MRIが,責任高位の診断のみならず,予後を予測し得ることを示しており,その適応は広がるであろう.神経根の造影の機序としては,血液神経関門の破綻,神経内浮腫の出現が考えられ,神経根性坐骨神経痛の画像診断,ならびにその生体内における病態解明の可能性が示された.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.