Japanese
English
臨床経験
ガングリオンによる浅腓骨神経絞扼障害の1治験例
Entrapment Neuropathy of the Superficial Peroneal Nerve by Ganglion
菊地 淑人
1,2
,
高橋 正憲
1
,
植野 満
1
,
徳永 祐二
1
Yoshito Kikuchi
1,2
1東京歯科大学市川総合病院整形外科
2現浦和市立病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Tokyo Dental College Ichikawa General Hospital
キーワード:
絞扼神経障害
,
entrapment neuropathy
,
浅腓骨神経
,
superficial peroneal nerve
,
ガングリオン
,
ganglion
Keyword:
絞扼神経障害
,
entrapment neuropathy
,
浅腓骨神経
,
superficial peroneal nerve
,
ガングリオン
,
ganglion
pp.303-305
発行日 1994年3月25日
Published Date 1994/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901325
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抄録:ガングリオンによる絞扼神経障害は日常比較的よく見られる疾患であるが,浅腓骨神経の絞扼障害をきたした例は極めて稀である.今回われわれはその1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.症例は48歳,女性.1990(平成2)年10月頃より,右足関節外側より足背にかけての疼痛が生じ,1991(平成3)年2月当院を受診した.右下腿遠位部外側に2cm大の腫瘤を触れ,同部に圧痛,およびTinel様徴候を認めた.足背外側部に知覚障害を見たが,運動障害は認めなかった,以上より神経性腫瘍を疑い,手術を施行した.手術時,浅腓骨神経の下腿筋膜貫通部近位にガングリオンと思われる多房性の腫瘍が存在し,同部で浅腓骨神経は圧迫されていた.茎部を追跡すると前脛腓靱帯から発生しているのが確認された,根部を含め腫瘍は完全に摘出した.術後直ちに疼痛は消失し,現在のところ症状の再発は見られていない.
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