Japanese
English
臨床経験
Double Crush Syndromeの1例―第5腰神経根と浅腓骨神経絞扼性障害の合併
Double Crush Syndrome of Lumbar Nerve Root and Superficial Peroneal Nerve : Report of A Case
高橋 直人
1
,
菊地 臣一
1
,
五十嵐 環
1
,
渡辺 栄一
2
Naoto Takahashi
1
1福島県立医科大学整形外科
2総合南東北病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Fukushima Medical University, School of Medicine
キーワード:
double crush syndrome
,
ダブルクラッシュ症候群
,
lumbar nerve root
,
腰神経根
,
superficial peroneal nerve
,
浅腓骨神経
Keyword:
double crush syndrome
,
ダブルクラッシュ症候群
,
lumbar nerve root
,
腰神経根
,
superficial peroneal nerve
,
浅腓骨神経
pp.1151-1154
発行日 2000年9月25日
Published Date 2000/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903095
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抄録:症例は60歳女性で,主訴は右下肢の疼痛としびれである.6カ月前より誘因なく主訴が出現した.腰部脊椎症による右第5腰神経根障害と診断し,右第5腰神経根ブロックを行った.しかし,右下腿外側1/3から右母趾にかけての疼痛としびれが残存した.その最近位部には圧痛があり,右母趾にかけてのTinel徴候が認められたため,浅腓骨神経絞扼性障害の合併を疑った.3つの疼痛誘発試験が全て陽性で,患側のSCVも測定不能であったため,右第5腰神経根障害に浅腓骨神経絞扼性障害が合併していると診断した.第5腰神経根の除圧を施行したが,右下腿外側1/3から右母趾にかけての疼痛としびれが残存したため,浅腓骨神経の開放術を行った.筋膜貫通部で神経が圧迫されており筋膜切開を行った.この追加手術により症状が全て消失した.
本症例は,1本の神経の走行に沿って2つの障害部位を有する病態で,真の意味のdouble crush syndromeと言える.
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