Japanese
English
臨床経験
大菱形骨単独粉砕骨折の1例
Isolated Comminuted Fracture of the Trapezium: A Case Report
田久保 興徳
1
,
中 康匡
1
,
大浦 五郎
2
,
四方 義朗
2
,
呉 世昌
2
,
藤原 浩芳
2
,
真鍋 卓容
2
,
玉井 和夫
3
,
平澤 泰介
3
Yoshinori Takubo
1
1なぎ辻病院整形外科
2明石市民病院整形外科
3京都府立医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Nagitsuji Hospital
キーワード:
大菱形骨
,
trapezium
,
粉砕骨折
,
comminuted fracture
,
直達牽引
,
skeletal traction
Keyword:
大菱形骨
,
trapezium
,
粉砕骨折
,
comminuted fracture
,
直達牽引
,
skeletal traction
pp.1305-1308
発行日 1993年11月25日
Published Date 1993/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901251
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抄録:比較的稀とされている大菱形骨単独骨折を経験した.症例は17歳,男性.主訴は左母指手根中手関節(以下CM関節)部痛である.ラグビーでタックルし,左母指を強打した.左母指CM関節部の腫脹と運動制限,X線像にて大菱形骨の粉砕骨折を認めた.母指を末梢方向へ牽引することにより整復位が得られたため,局所麻酔下に左母指基節骨を介して直達牽引を行った.約5週間で直達牽引を除去した.受傷後ヵ2ヵ月では,骨癒合も得られ,疼痛は消失し,手関節と母指の可動域も良好であった.2年10ヵ月を経過した時点でも,疼痛,可動域制限なく,経過は良好である.
本邦にて報告された大菱形骨単独骨折27例について検討し,受傷機転と骨折型の分類及び治療について若干の考察を加えた.
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