Japanese
English
臨床経験
Stickler症候群の1例
Stickler Syndrome: A Case Report
保坂 泰介
1
,
四方 實彦
1
,
清水 和也
1
,
武田 信巳
1
,
田中 千晶
1
,
戸口田 淳也
1
,
多田 弘史
1
,
川合 準
1
Taisuke Hosaka
1
1京都市立病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kyoto City Hospital
キーワード:
Stickler症候群
,
Stickler syndrome
,
脊椎骨端異形成
,
spondyloepiphyseal dysplasia
,
失明
,
blindness
,
難聴
,
deafness
,
顔両中央部形成異常
,
mid-facial dysplasia
Keyword:
Stickler症候群
,
Stickler syndrome
,
脊椎骨端異形成
,
spondyloepiphyseal dysplasia
,
失明
,
blindness
,
難聴
,
deafness
,
顔両中央部形成異常
,
mid-facial dysplasia
pp.1301-1304
発行日 1993年11月25日
Published Date 1993/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901250
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抄録:我が国では報告例の希な,Stickler症候群の1例を経験した.症例は20歳男性.既往として生後より口蓋裂を認めた.9歳時,左眼の網膜剥離,白内障を生じ,手術を受けるも失明した.19歳時,右眼の網膜剥離のため手術を受け現在白内障を合併している.両側感音性難聴を認める.身体所見は,右凸の側彎,仙尾部の突出,両側の外反股・内反膝と右膝約20°,左膝約10°の屈曲拘縮,顔面の平坦化と低鼻,小顎,顔面中央部低形成を認める.以上よりStickler症候群と診断した.
本症候群は我が国においては知名度は低いが頻度はMarfan症候群よりも多いとされる.また放置すると失明に至る危険がある.そのため出生時・新生児期に骨格異常と口蓋裂,小顎症,顔面中央部形成異常を認めた場合,本症候群を疑い早期に眼病変の検索をしなければならない.我々整形外科医にとって決して見逃してはならない疾患であり,今後注目すべき疾患として留意する必要がある.
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