Japanese
English
論述
股関節周辺の不顕性骨折に対する診断―MRI,骨シンチの有用性
Diagnosis of Occult Fractures in the Hip Joint and Pelvis: Diagnostic Value of MRI and Bone Scan
中村 宣雄
1
,
西塔 進
1
,
中嶋 洋
1
,
津田 隆之
1
,
勝部 博之
1
Nobuo Nakamura
1
1住友病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Sumitomo Hospital
キーワード:
不顕性骨折
,
occult fractures
,
核磁気共鳴
,
magnetic resonance imaging
,
骨シンチグラフィー
,
bone scintigraphy
Keyword:
不顕性骨折
,
occult fractures
,
核磁気共鳴
,
magnetic resonance imaging
,
骨シンチグラフィー
,
bone scintigraphy
pp.793-799
発行日 1992年7月25日
Published Date 1992/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900891
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抄録:高齢者の骨折の中にはX線上骨折線の見られないいわゆる不顕性骨折の型をとるものが存在する.特に股関節周辺の不顕性骨折は日常診療における重要な問題である.当科で経験した10例の股関節周辺の不顕性骨折(大腿骨頸部骨折6例,骨盤骨折3例,大転子骨折1例)につき早期診断における諸画像検査の有用性を検討した.10例はいずれも転倒により発症し,うち8例は歩行不能であった.初診時には単純X線,X線断層撮影にて異常なく,理学所見から9例を大腿骨頸部骨折,1例を恥骨骨折と診断した.確定診断は8例が骨シンチで,2例がMRIによりなされ,仙骨骨折はCT検査により初めてその骨折線が明らかとなった.いずれの例も早期の手術療法あるいは安静により順調に回復した,以上のことより,丹念な患者診察から不顕性骨折を疑うことが重要で,骨シンチとMRIにより早期の確定診断が可能であることがわかった.
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