連載 リハビリテーション診療に役立つ関節MRIの診かた・第4回
股関節のMRI
平尾 昌之
1
Masanobu Hirao
1
1東京医科歯科大学リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
骨髄浮腫
,
不顕性骨折
,
大腿骨頭壊死症
Keyword:
骨髄浮腫
,
不顕性骨折
,
大腿骨頭壊死症
pp.773-778
発行日 2024年7月10日
Published Date 2024/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203171
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
日常診療で股関節痛を認めた場合,多くの症例で最初の画像検査として単純X線画像が選択される.単純X線画像で可視化される組織は主に骨や石灰化などX線の透過しづらい組織であるが,明らかな骨折や関節変形などを認めない場合,単純X線画像のみでは病態の把握や診断ができない場合もある.
磁気共鳴画像(magnetic resonance imaging:MRI)は,T1強調像やT2強調像など,多様な撮像法を用いることにより単純X線画像では判定困難な異常像の検出が可能である.また,骨以外にも軟骨や滑膜,関節液など関節内部の構造物や筋・腱の状態などさまざまな情報を得ることができる.また,水平断,冠状断,矢状断など異なる断面で評価することにより三次元的な病態の判断も可能である.
特に股関節疾患に限定されるわけではないが,運動器疾患に対するリハビリテーション治療においては,荷重量の判断が重要になってくる.本稿では,単純X線画像では認識できない,あるいは認識しづらい病変であるが,リハビリテーション治療において荷重制限を考慮すべき病態・疾患についてMRI所見を提示し解説する.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.