Japanese
English
症例報告
仙骨に生じたinsufficiency fractureの2例
Two Cases of Sacrum Insufficiency Fracture
藤井 隆太朗
1
,
正富 隆
1
,
杉本 瑞生
1
,
冨士 武史
1
,
小野 啓郎
1
Ryutaro Fujii
1
1大阪厚生年金病院整形外科
1The Department of Orthopaedic Surgery, Osaka Koseinenkin Hospital
キーワード:
insufficiency fracture
,
脆弱性骨折
,
sacrum
,
仙骨
,
bone scintigraphy
,
骨シンチグラフィー
Keyword:
insufficiency fracture
,
脆弱性骨折
,
sacrum
,
仙骨
,
bone scintigraphy
,
骨シンチグラフィー
pp.885-888
発行日 2001年7月25日
Published Date 2001/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903329
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抄録:仙骨のinsufficiency fractureの認識が欠如していたために診断に難渋した2症例を報告する.症例は86歳男性,67歳女性で,2症例とも主訴は遷延する腰仙部痛.骨シンチで仙骨に集積像を認めたため,骨髄炎や転移性骨腫瘍を疑った.症例1はCT,骨生検施行するも腫瘍性病変認めず,確定診断が得られなかった.症例2は,MRIで仙骨骨髄内にびまん性の輝度変化を呈し,CTでは仙骨前面に骨皮質の断裂を認め,確定診断に至った.症例2を経験した後,症例1を再検討したところCTで骨折線を認めた.仙骨のinsufficiency fractureは骨シンチでは特徴的なH型の集積像を呈するとされており,今回の2例ともH型の集積像を呈していた.仙骨のinsufficiency fractureの診断には骨シンチ,CTが有用であった.高齢者の腰仙骨部痛を診察する際には念頭において診察すべきである.
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