Japanese
English
臨床経験
骨原発性平滑筋肉腫―1例報告と文献的考察
Primary Leiomyosarcoma of Bone: A Case Report and Review of the Literature
蛭田 啓之
1
,
亀田 典章
1
,
羽鳥 努
1
,
秋間 道夫
1
,
野中 博子
2
,
土谷 一晃
3
,
高橋 寛
3
,
茂手木 三男
3
Nobuyuki Hiruta
1
1東邦大学第一病理
2東邦大学大森病院病理
3東邦大学大森病院整形外科
1Department of 1st Pathology, Toho University School of Medicine
キーワード:
骨腫瘍
,
bone neoplasms
,
平滑筋肉腫
,
leiomyosarcoma
Keyword:
骨腫瘍
,
bone neoplasms
,
平滑筋肉腫
,
leiomyosarcoma
pp.643-647
発行日 1992年5月25日
Published Date 1992/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900863
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抄録:33歳,男性の右上腕骨近位部に発生した骨原発性平滑筋肉腫を報告した,単純X線所見では,骨幹端部から骨幹部にかけて境界不明瞭な虫食い状の溶骨像を示し,血管造影所見では軽度の血管増生を認めた.組織学的には,好酸性の胞体と葉巻状の濃染核を有する長紡錘形細胞が束状,錯走性に増殖していた,免疫組織学的にはactinおよびdesminが陽性であった.電顕的には,胞体内にdense patchを伴ったmyofilamentが豊富で,pinocytotic vesicleやbasement membraneも認められ,平滑筋細胞に類似していた.本症の診断は消化管や子宮からの転移を否定することが第一条件である.組織診断は免疫組織や電顕を用いればそれほど困難ではないが,通常の光顕では線維肉腫,悪性線維性組織球腫や線維芽細胞型骨肉腫などとの鑑別が必要である.本症は非常に稀で,今回の1例を含め内外に45例の報告を見るにすぎない.
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