Japanese
English
臨床経験
弾撥母趾の1例
Trigger of the Great Toe: A Case Report
薩摩 博
1
,
野中 藤吾
1
,
福田 寛二
1
,
保脇 淳之
1
,
宗円 聡
1
,
田中 清介
1
Hiroshi Satsuma
1
1近畿大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Kinki University School of Medicine
キーワード:
狭窄性腱鞘炎
,
stenosing tenosynovitis
,
長母趾屈筋腱
,
flexor hallucis longus
,
弾撥現象
,
triggering Phenomenon
Keyword:
狭窄性腱鞘炎
,
stenosing tenosynovitis
,
長母趾屈筋腱
,
flexor hallucis longus
,
弾撥現象
,
triggering Phenomenon
pp.981-984
発行日 1991年8月25日
Published Date 1991/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900414
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抄録:手指の屈伸に際して弾撥現象を呈する症例は日常多く見られるが,足趾におけるこのような現象は比較的稀である.最近,我々は足趾に発生した弾撥母趾の1例を経験した.症例は鳶職に従事する40歳の男性で,主訴は左母趾の弾撥現象である.足関節底屈位において母趾を中間位から自動的に屈曲すると,母趾の弾撥現象が生じた.MRI像より長母趾屈筋腱の肥大を認めた.長母趾屈筋腱腱鞘造影では,足関節底屈位により足関節内果後方で明らかに腱鞘にくびれを認め,さらに,この肢位で母趾を自動的に屈曲すると,くびれた部位を肥大した長母趾屈筋腱が通過して弾撥現象をきたした.術中所見として腱はosseo-fibrous tunnelの入口部で強く圧迫されており,これを切開することにより母趾の屈伸時での腱の滑動は良好となった.術後6ヵ月の現在,疼痛の訴えはなく,弾撥現象の再発を認めない.
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