Japanese
English
臨床経験
長母趾屈筋腱皮下断裂の1症例
A Case Report of Subcutaneous Rupture of Flexor Hallucis Longus
橋爪 洋
1
,
上好 昭孝
1
,
嶋 公大
1
,
江川 弘光
1
,
星野 潤
1
,
松本 朋子
1
,
玉置 哲也
1
Hiroshi Hashizume
1
1和歌山県立医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Wakayama Medical College
キーワード:
長母趾屈筋腱
,
flexor hallucis longus
,
皮下断裂
,
subcutaneous rupture
Keyword:
長母趾屈筋腱
,
flexor hallucis longus
,
皮下断裂
,
subcutaneous rupture
pp.617-619
発行日 1993年5月25日
Published Date 1993/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901120
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抄録:極めて稀な長母趾屈筋腱皮下断裂の症例を経験した.患者は13歳男性,サッカー競技中に右母趾の伸展を強制され,直後より母趾IP関節の屈曲が不能となった.腱鞘造影にて,中足骨頭部から中足骨基部まで造影剤の充満が観察されたが,腱鞘内には腱陰影は認められなかった.第一中足骨頭部での長母趾屈筋腱の皮下断裂と診断し,手術的に観察すると,同部での腱断裂がみられ,端々縫合が不可能であったため,腱移植術を施行した.一般に介達力による腱断裂は腱停止部に発生することが多いが,解剖学的に長母趾屈筋腱は第一中足骨頭部で走行を変更しており,同部でストレスを受けやすく,さらに今回の症例ではサッカーボールを蹴ろうとして長母趾屈筋腱に強い筋収縮力が働いた瞬間に過伸展を強制されたことが,第一中足骨頭部における腱断裂の発生機序として考えられた.
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