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Rinsho Seikei Geka Volume 24, Issue 8 （August 1989）

臨床整形外科 24巻8号（1989年8月発行）

Japanese English

臨床経験

弾撥現象を呈した長母趾屈筋腱腱鞘炎の1例 A Case Report of Triggering Great Toe due to Stenosing Tenosynovitis of the Flexor Hallucis Longus Tendon 杉谷繁樹 ¹ , 野口耕司 ¹ , 松下睦 ¹ , 下地昭昌 ¹ , 柴田博次 ¹ , 赤星義彦 ¹ Shigeki Sugitani ¹ ¹岐阜市民病院整形外科 ¹Department of Orthopedic Surgery, Gifu City Hospital キーワード：狭窄性腱鞘炎 , stenosing tenosynovitis , 長母趾屈筋腱 , flexor hallucis longus tendon , 弾撥現象 , triggering phenomenon , スポーツ障害 , sports injury Keyword: 狭窄性腱鞘炎 , stenosing tenosynovitis , 長母趾屈筋腱 , flexor hallucis longus tendon , 弾撥現象 , triggering phenomenon , スポーツ障害 , sports injury pp.987-989

発行日 1989年8月25日 Published Date 1989/8/25

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908174

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　抄録：22歳男子で両側性に長母趾屈筋腱腱鞘炎があり，右側は狭窄性腱鞘炎が著明で疼痛を伴った弾撥現象及びlockingを生じたため腰麻下に腱鞘切開術を施行して良好な結果を得られた．手術時所見は他の報告例のほとんどが示すように，踵骨載距突起下の線維性pulley内で腱は著明に変性して紡錘状に肥大しており，これが弾撥現象の原因と推察された．また変性部位には比較的新しいと思われる縦断裂を認めた．この弾撥現象は14歳頃に発現しており，この発生機転には明らかにスポーツの関与（短距離走）が考えられ，長母趾屈筋腱が繰り返しbowstringの作用を受けたため腱の変性を生じたものと推察される．主にクラシックバレエによる障害として同様の報告が散見されるが，他のスポーツを含めて一種のスポーツ障害として本障害を念頭に置く必要があろう．