Japanese
English
臨床経験
5歳のレックリングハウゼン病患者にみられた高度後側彎症の治療経験
Surgical Treatment for Severe Kyphoscoliosis of a 5 Year-old Patient With Neurofibromatosis
舟崎 裕記
1
,
司馬 立
1
,
近藤 秀丸
1
,
本間 玄規
1
,
井ノ口 雅貴
1
,
林 克章
1
,
山下 和郎
1
,
室田 景久
1
Hiroki Funasaki
1
1東京慈恵会医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, The Jikei University School of Medicine
キーワード:
レックリングハウゼン病
,
von Recklinghausen disease
,
後側彎症
,
kyphoscoliosis
,
肋骨変形
,
rib deformity
,
手術治療
,
surgical treatment
Keyword:
レックリングハウゼン病
,
von Recklinghausen disease
,
後側彎症
,
kyphoscoliosis
,
肋骨変形
,
rib deformity
,
手術治療
,
surgical treatment
pp.957-961
発行日 1991年8月25日
Published Date 1991/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900409
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:5歳,女児のレックリングハウゼン病患者にみられた高度後側彎症に対して,手術的治療を行った.本症例はdystrophic typeの左胸椎後側彎を呈し,側彎は128°,後彎は62°であったが,神経学的異常所見は観察されなかった.Halo-pelvic牽引による矯正後,まず後方よりLuque instrumentationによる固定術を施行,6週後に血管柄付腓骨移植による前方固定術を追加した.肋間神経はneurofibromaによって置換され,肋骨は著しく菲薄化しており,病理組織学的にも腫瘍が肋骨骨髄内に浸潤している像が確認された.術後1年6ヵ月の現在,側彎は67°,後彎は45°に矯正され,correctionlossも認められていない.5歳児で,neurofibromaが脊椎や肋骨の周囲に認められた事実から本疾患の脊柱や肋骨変形の発生には腫瘍の発育が関与していることが示唆された.また,若年者の高度脊柱変形に対しては前方および後方からの固定術が必要と思われ,前方固定には血管柄付骨移植が有効と考える.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.