Japanese
English
臨床経験
股関節に変化を来した大理石骨病の1症例
A Case Report of Osteopetrosis with Degenerative Osteoarthritis in the Hip Joint
井上 尚美
1
,
東倉 萃
1
,
上田 剛
1
,
水野 直樹
1
,
小島 敦
1
Hisayoshi Inoue
1
1中部労災病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Chubu Rousai Hospital
キーワード:
大理石骨病
,
osteopetrosis
,
変形性股関節症
,
degenerative osteoarthritis
Keyword:
大理石骨病
,
osteopetrosis
,
変形性股関節症
,
degenerative osteoarthritis
pp.83-86
発行日 1991年1月25日
Published Date 1991/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900272
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抄録:最近われわれは,変形性股関節症を伴った大理石骨病の稀な1症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
症例は,股関節痛を主訴とした22歳,女性・近親者に同病歴を認めず,12歳時に軽微な外力で右上腕骨骨折の既往を有する.5年間の経過観察中に,X線上,関節裂隙の狭小化,骨頭の変形,嚢胞など関節変化の進行を認めた.股関節周辺の外傷の既往なく,臼蓋形成不全など解剖学的異常を認めないにもかかわらず,変形性股関節症が発症した報告は,文献的に知りうる限りでは,7例である.その機序として,疾患特有の病態に起因するものとし,Cameronらが述べているように,軟骨下骨のshock absorberとしての機能が消失するため,関節軟骨へのストレスが増加し発症したと考えている.
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