Japanese
English
臨床経験
半膜様筋内にみられた筋肉内ガングリオンの1例
A Case of Intramuscular Ganglion in Semimembranosus
福島 充也
1
,
菊本 喜代司
1
,
園田 万史
1
Mitsuya Fukushima
1
1市立西脇病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Nishiwaki City Hospital
キーワード:
筋肉内ガングリオン
,
intramuscular ganglion
,
半膜様筋
,
M. semimembranosus
Keyword:
筋肉内ガングリオン
,
intramuscular ganglion
,
半膜様筋
,
M. semimembranosus
pp.781-784
発行日 1990年6月25日
Published Date 1990/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900139
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抄録:ガングリオンは,比較的発生頻度の高い疾患であるが,筋肉内に発見されることは非常に稀である.本症は,中年以降の男性に好発し,発育部位は,膝周辺に起始・停止をもつmuscle lengthが長く,腱様部分の短い筋肉が多い.症状は,腫瘤として認められるものが大部分で,時には,疼痛や神経麻痺を合併する場合もある.補助的診断法では,CT scanが有用であり,腫瘍の大きさや部位が明確に把握できる.さらに,CT値を用いることで,ある程度その性状も推測できるが,確定診断には病理組織診が必要である.本症は,抵抗脆弱部の筋肉内で発育成長し,筋実質損傷の原因になるため全摘出が適応となる.予後は完全に摘出すれば良好である.今回我々は,61歳の男性の半膜様筋滑液包より発生したと考えられる稀な筋肉内ガングリオンの症例を経験し,全摘出を行った.術後1年9カ月を経過した現在,再発はなく経過は良好である.
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