特集 不安定腰椎(第18回日本脊椎外科研究会より)
座長総括
「XⅤ.Instrumentation(4)―pedicular screwingなど―」
小野村 敏信
1
Toshinobu Onomura
1
1大阪医科大学整形外科学教室
pp.376-377
発行日 1990年4月25日
Published Date 1990/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900075
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- 文献概要
pedicular screw-plate法は腰椎後方固定に際して最近用いられることの多くなったinstrumentation systemであり,本研究会でも少なからぬ数の演者により本法の経験が述べられた.このsessionでは別掲の7題の発表があったが,その中から共通の問題点のいくつかを拾い出してみたい.
まずこの方法の利点は椎弓根を通して刺入した螺子によりいくつかの椎体を保持し,これらを適当な彎曲をつけたplateによって連結固定することにより,ある程度の整復や矯正などを加えながら椎節間固定を行いうることである.また椎弓根を利用することにより椎弓切除を行った高位にも適用できるために,神経除圧後の後方固定を最小限の範囲にとどめることができること,強固な内固定により術後の外固定の省略や早期離床を目指しうることも大きな特徴である.各演者はそれぞれ腰椎のすべり症,変性疾患など腰椎に不安定性をもつ患者に,種々の方式によるpedicular screwを用いて固定を行った結果を報告した.その成績はいずれも「ほぼ」満足であったとされるが,予期に反した経過や合併症もみられている.すなわち術後経過中にscrewの折損が5乃至20%の症例におこり,術直後に得られていた整復や椎間腔拡大について矯正損失が少なからずみられたことには注意すべきである.
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